投資研究家としてYouTubeで発信している「かつを」さんは「新NISAは全世界株式や米国株価指数S&P500といったインデックス型投資信託がポピュラーだが、これだけで老後資金を貯めるのはもったいない」という――。

※本稿は、かつを『買って寝るだけ! ゼロから5年で月5万円もらえる高配当株』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

ビジネスマンがコインを積む
写真=iStock.com/acilo
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「資金は老後まで手をつけない」は正しいか?

日本人は高配当株が大好きです。日本人ほど高利回りという言葉に心をくすぐられる国民はいません(たぶん)。

30年近く続いた空前の低金利のせいか、はたまた、毎年定期的な収穫を心待ちにする農耕民族の習性か、日本人の多くは高利回りの金融商品に恋い焦がれる傾向があります。

「元本保証で利回り30%」(そんな金融商品あるわけない!)といった甘い囁やきに魅せられて巨額のお金を騙し取られる投資詐欺も頻発しています。日本人の高利回り崇拝は詐欺師たちに狙われやすい突っ込みどころ、弱点にすらなっているのです。

「貯蓄から投資へ」という国策のもと、2024年からは生涯の非課税投資枠が最大1800万円に大幅拡充された新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)がスタート。成長投資枠(年間240万円/最大1200万円)を使って高配当株に非課税投資できるようになりました。

新NISAでは全世界株式や米国株価指数S&P500といった外貨建てのインデックス型投資信託に毎月つみたて投資するのが最もポピュラーな投資手法になっています。確かに分配金(投資で得た株主配当などの利益)を再投資に回して複利効果で資産を大きく増やすうえでは新NISAの最適解かもしれません。

しかし、老後になるまで投資した資金に一切手をつけず禁欲的な生活を送るのが果たして人生の最適解といえるでしょうか。

高配当株投資なら「株主配当金」が入る

高配当株投資なら定期的に株主配当金というキャッシュが入るので生活費+αに使えます。

インデックス投資は新NISAのつみたて投資枠(年間120万円/総額600万円)だけでコツコツ続けて、成長投資枠では日々の生活に潤いをもたらし、家計の節約にもつながる高配当株投資を行いたいという投資家のニーズは根強いはず。

図表1は新NISAの成長投資枠を使って年間の投資上限240万円を配当利回り5%の株に投資したときの資産の増加と毎年の配当金の推移を示したものです。

成長投資枠は最大1200万円ですから、最短5年で非課税投資枠すべてを投資できます。