「配当利回りの高さ」に潜む恐ろしいリスク
もし株価も年率5%の配当利回りもまったく変わらなかった場合、1200万円を投資し終わった6年後からは年間60万円の株主配当を非課税で受け取ることができます。
年間60万円なので月々5万円。
自分自身はまったく汗水垂らして働かなくても、毎月5万円をチャリンチャリンと生み出してくれるお金マシーンを作ることができるのです。
むろん、図表1はあくまでモデルケース。実際は株価も値動きするし、株主配当の金額も毎年増減するので配当利回りも変化していきます。
配当利回りは「年間の株主配当÷株価」で計算しますが、そこには罠が仕掛けられています。
〇 分子の株主配当が増える(増配される)と利回りが上がる。
× 分母の株価が下がっても利回りは上がってしまう。
どちらがいいかは一瞬でわかりますよね。
これが配当利回りの高さだけに目がくらんで高配当株に投資する怖さです。
高配当利回りだと思って投資してみたら、その後、業績が悪化して株価も下落。とうとう株主配当を1円も出せなくなってしまった(無配転落)……。これが最悪パターンです。
懐がホクホクになるチェックすべき項目とは?
では、ベストなシナリオは何かというと業績が好調で株主配当が増え、もともと高配当株だったうえにさらに配当利回りが上がり、結果的に株価も上昇してホクホクという最高パターンです。
では、最悪の高配当株と最高の高配当株を見分ける決め手とは?
その肝は「増配率」にあります。
投資対象の企業が毎年、株主配当をどれぐらい増やしているかの目安です。
図表2は購入当初、配当利回りが4%だった株が毎年5%ずつ株主配当を増やしていった場合、年間の配当金や買付金額に対する利回りがどれぐらい増えていくかをシミュレーションしたもの。