2024年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお届けします。ビジネス(自動車)部門の第1位は――。
▼第1位 豊田章男氏の警告"に世界がようやく気付いた…EVメーカーの「ハイブリッド車投入」が相次いでいる理由"
▼第2位 トヨタ・豊田章男会長はやっている…あいさつに付け足すだけで不思議と交渉がうまくいくようになる「ひと言」
▼第3位 やっぱり豊田章男会長の「全方位戦略」が正しかった…自動車大国中国で「売れないEV」が山積みになっているワケ
▼第4位 豊田章男会長の戦略は正しかった…「パリ市内を走るタクシーの大半が日本のハイブリッド車」という衝撃事実
▼第5位 豊田章男氏の「EVへの懸念」が現実のものに…世界中で「EVシフト」を見直す大手メーカーが相次いでいる理由
パリ市内を走るタクシーの多くがトヨタのハイブリッド車
2024年10月、パリモーターショーが開催されたので久しぶりにパリを訪れた。パリモーターショーを現地で見るのは2014年以来10年ぶりである。
パリの街を歩いていると、ある大きな変化に否応なく驚かされることになる。大都市ではどこでも街の景色の一部となる、タクシーの変化である。
パリのタクシーといえば、かつてはもちろんプジョーやシトロエンといったフランス車がほとんどだったが、今やフランス車のタクシーはほとんど走っていない。では何が多いのかといえば、現在パリ市内で走っているタクシーのほとんど(見た目の印象では8割ほど)はトヨタのハイブリッド車なのである!
フランス車だけでなく、ドイツ車のタクシーも少ない。これは後述するが現在ヨーロッパメーカーが直面する危機を象徴した出来事なのではないか。そして、2021年9月からトヨタの豊田章男会長がまったくぶれずに主張しているマルチパスウェイ戦略の正しさの証左でもある。
RAV4、カローラ、カムリ、レクサスES……
車種的に最も多く感じられたのはRAV4で、次に目立ったのがカローラツーリング(ワゴン)である。それに続くのがカムリとレクサスESで、特にレクサスESは現地では6万ユーロ(約1000万円)と高価にもかかわらず、かなり頻繁に目にしたのは驚きだった。
トヨタが圧倒的に多いのは最も効率的なハイブリッドシステムを持っているからだと思われる。やはり使い勝手が良く、燃費性能が圧倒的に優れる点がハイブリッドの選ばれる理由だろう。
ガソリンさえ入れれば走れるという意味ではガソリン車と同じだし、燃費が良いのでガソリン補給のインターバルも伸びるし、そもそもガソリン代を節約できる。市内走行が多いタクシーには最適解なのだろう。それに環境に貢献しているというアピールもできる。
パリの大手タクシー会社G7はそのホームページで、車両の85%以上がハイブリッドないしBEVであることを理由にサステイナブルな企業であるとアピールしている。