おしゃれな人に「おしゃれですね」はNG

逆にテクニックが必要なのは、褒め方を工夫しなければいけない場合です。例えば取引先の上役など相手からの覚えをよくしたいとき。こういう場合は具体的な褒めポイントを加えるだけでなく、相手を観察しておくことが必要です。

もし見た目に気を使っている人を褒めるとしたら、「イケメン」とか「スタイルがいい」「おしゃれ」とかは言われ慣れているので、そうした褒め方をしたところで印象に残りません。なので、あえて違うポイントを挙げて褒めるのがいい。例えば、「ひげの剃り方が特徴的ですね」とかディテールを褒めるようなイメージですね。

そうすると、細かい部分に気づいてくれたことに感心して、結果として覚えがよくなったりすることがありますよ。

「帰らないといけない雰囲気」を作るべき

【酔うと面倒な上司をさっさと帰らせたい】

・ダメな言い方
そろそろ帰ったほうがいいですよ

・うまい言い方
もうタクシーを呼んじゃいました

もう深い時間なのに飲み会をお開きにしようとしない人っていますよね。そういう人に対して無理に帰宅を促すと、気分を害して不機嫌になることも少なくありません。なので、何かを伝えて帰らせようとするのではなく、「帰らなければいけない」という状況をなんとか演出したほうがいいです。

例えば、スーパーとかでは閉店間際の時間に「蛍の光」が流れてきます。自動的に流れるだけで客を追い出そうとしているわけではないですが、客としては雰囲気が変わったことで「出ていかないといけない」と察しますよね。

こういった“帰らないといけない雰囲気”を演出すると、普通の感覚の人なら「帰らなきゃならない」と思うはずです。これは上司が帰りたがらないようなシチュエーションにも使えて、お店の閉店時間が近いのなら、「閉店準備を始めてもらえますか?」とお店側に言ったりするのもアリだと思います。

ただし、まだしばらくは営業が続く店にいても、上司を帰らせたいときがありますよね。そういう場合は、解散をしないことが上司のデメリットになるような状況にもっていけばいいと思います。例えば、上司が関連する仕事を引き合いに出して、「明日までに作業しないと間に合いません」と言うとかです。

もしくは、抱えている仕事の状況から「今すぐ帰らないとマズいですよ」という演出をしつつ、「もうタクシーを呼んじゃいました」と無理やり外に出してしまえばいい。その場ではオラつくかもしれませんが、酔っ払っていたら次の日には覚えていなかったりもしますし……。

ちなみに僕の場合は泥酔してウザ絡みする面倒くさい人には、「その話、前にも聞いたっす」とか言って話すことがないような雰囲気にしてしまいますが……。

夜の街を走るタクシー
写真=iStock.com/mbbirdy
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