年齢を重ねたら身だしなみは何に気をつければいいか。禅僧の枡野俊明さんは「若い人はもとより、中高年の方のなかにも、外見を気にしすぎではないかと思える人がたくさんいる。確かにある程度の身だしなみは必要だが、『人は思うほど自分を見ていない』現実に気づき、年齢を増すごとに顔に出てくる味を魅力とするよう心掛けるといい」という――。

※本稿は、枡野俊明 『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力 もっと「鈍感」でいい、99の理由』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

悲しげな顔の描かれた紙を顔の前に掲げるビジネスマン
写真=iStock.com/Robert Daly
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行動の第一義を「人気」から「人望」にシフトする

「人気」より「人望」を得る――やがて本当に出世する人の共通点

出しゃばる人というのは総じて“目立ちたがり屋さん”です。人の集まるところにはどこにでもしゃしゃり出て、その場を仕切ろうとするきらいがあります。

近年はとくにSNSの進展を背景に、「何か変わったことをして注目され、人気者への階段を駆け上がっていこう」的な風潮が顕著です。“一億総放送局”という時代ですから、余計に目立つことをしてでももてはやされたい願望が強くなるのでしょう。

しかし出しゃばる人、目立つ人に人望があるかというと別の話です。逆に「スタンドプレイばかりで、信用ならないなあ」「あれだけ自分を飾り立てるのは、自分に自信のない証拠だよね」などと、あまり評価されないような気がします。

さらに自己主張が強すぎることで、周囲の反感を買うことも少なくありません。

それよりも「風貌も言動もいたってふつう」で、自分のやるべきことをきちんと、間違いなくやり続ける人のほうが信頼されます。

また実績を積み上げて、やがて大事を成し遂げ、なお謙虚にふるまう人は、多くの人から人望を寄せられます。物事の中核を担いたいなら、行動の第一義を「人気」から「人望」にシフトしましょう。