仕事ができる人、できない人の違いは何か。禅僧の枡野俊明さんは「準備のいい人は、券売機の列に並ぶ前、もしくは並んでいる間に何を買うかを決め、すぐに料金を払えるようにしている。このように一事が万事、『準備力』の低い人は何事も始まってからでないと動かない。仕事ではこれが『できる・できない』の分水嶺になる」という――。

※本稿は、枡野俊明『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力 もっと「鈍感」でいい、99の理由』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

空の財布を取り出して焦る男性
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結果は、「始まる前」に決まっている

「準備」に力を込める――できない人はみな「準備不足」

飲食店でも、何かの施設でも、チケットを買うとき、あなたは券売機の前に立ってから買うものを決めますか? お金やカードは払う番になるまで出しませんか?

どちらも準備の悪い人。準備のいい人は、券売機の列に並ぶ前、もしくは並んでいる間に何を買うかを決め、すぐに料金を払えるようにしておきます。

とてもささいなことのように思うかもしれませんが、一事が万事、「準備力」の低い人は何事も始まってからでないと動きません。それまでボーッと、何も考えずに時間を過ごすのです。仕事ではこれが「できる・できない」の分水嶺になります。

たとえば会議に臨むとき、「では、会議を始めます」となってから「テーマはなんだっけ?」というのではいけません。テーマにかかわる情報を収集するなど、きちんと下調べをして、自分の意見をまとめておく。最低限、そのくらいの準備が必要です。

一つの課題について、さまざまなパターンを想定して、どんな方向から質問や意見を求められても答えられるように準備する。どんな仕事もそういった準備を十分にしておいて初めて、“臨戦態勢”に入れます。結果、実のある仕事ができるのです。