正直者はバカを見ない

「正直者」でゆく――悪事は必ず露見する

東京オリンピックで一連の不祥事が露見しました。それにつけ企業スキャンダルはなかなかなくならないものだと感じます。

粉飾決算、消費期限や産地の偽装、品質を保証するデータの改ざん・捏造、リコール隠し、パワハラ・セクハラ……この種の不正が明るみに出るたびに、多くの人が「またか……」とうんざりしているかと思います。

悪いとわかっていても、最初は「少しくらいならウソをいってもいいだろう。バレないようにすればいい」くらいの軽い気持ちでやってしまうのかもしれません。しかしたいていの場合、悪事はどんどんエスカレートしていきます。

もはや「悪事は必ず露見する」と覚悟したほうがいい。というのも時代がコンプライアンスを重視する方向へ進んでいるからです。しかもネット社会では「不正は必ず告発される」のが当たり前。ビジネスにフェアな環境が整ってきているのです。

いまや「正直者がバカを見る」ことは少なくなりました。「正直者がバカを見ない社会」が形成されつつあると、認識を新たにしましょう。

いまいる場所が“黄金”に輝くとき

「いま」「ここ」で輝く――「もっと、もっと」が人生を苦しくする

あなたはいまの仕事に不満がありますか?

おそらくかなりの数の人が、「もっといい会社で働きたい」「もっと自分に合う仕事がしたい」「もっと高い給料、高い役職が欲しい」といった不満を抱えているでしょう。

「いまいる場所では、自分の持てる力を発揮して輝けない」

という気持ちがあるのだと思います。

枡野俊明『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力 もっと「鈍感」でいい、99の理由』(三笠書房)
枡野俊明『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力 もっと「鈍感」でいい、99の理由』(三笠書房)

しかし明言します。それは“世迷い言”でしかありません。「大地黄金」という禅語が説くように、「自分がいま置かれている場所で、精いっぱいの努力を尽くすと、その場所が黄金のように輝いてくる」のです。

つまり“黄金の大地”は外にあるものではなく、自分自身の努力によって磨き上げられるものだ、ということです。

いまの仕事や職場に不満があるなら、まず「自分を輝かせる努力が足りないのではないか」と自分を疑ってください。そう気持ちを切り替えると、いまの仕事にまだまだ努力の足りないところがあると気づきます。

そこに新たなやりがいが見いだせるはず。その瞬間、あなたのいまいる場所が黄金に輝き始めるのです。

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