「一分を惜しんで」早く起きる

朝のバタバタが仕事を乱す――スタートダッシュで一日が決まる

「朝は忙しい」という声をよく聞きます。身支度を整え、朝食もそこそこに家を飛び出す人も少なくないでしょう。

毎日、そんなことをくり返すうちに、「朝はバタバタするのが当たり前」という意識になっているのかもしれません。

けれどもそれ、当たり前ですか? ちょっと早起きすれば、かなり落ち着くのではありませんか? 

ここは一つ、起きるときの気持ちを百八十度変えてみましょう。「一分を惜しんで寝たい」から、「一分を惜しんで起きよう」というふうに。

実際、朝のバタバタを続けていて、いいことは何もありません。部屋は散らかり放題。忘れ物をしたり、転んでケガをしたりなど、トラブルも多発します。また仕事を始める前から疲れ切って、一日のパフォーマンスが低下することは目に見えています。

そうならないよう、いまより三十分早く起きましょう。余裕を持って出かける準備をすることはもちろん、今日一日の予定をしっかり頭に入れ、どう行動するかをシミュレーションしておくとなおいい。

会社に着いた瞬間、スムーズに“仕事モード”に入り、アクティブな一日のスタートが切れます。

時計を見ながら出かける笑顔の人
写真=iStock.com/byryo
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禅には「結果を出すためにがんばる」という考え方がない

「結果」を二の次にする――それは“後から”ついてくるもの

結果自然成けっかしぜんせい」という禅語があります。

禅には「結果を出すためにがんばる」という考え方がないのです。目の前にあるやるべきことをやり、その小さな成果を地道にコツコツと積み上げていく。そうすると、自然と後から結果がついてくる。そう考えるのです。

現代では「早く結果を出す」ことが求められます。そのために努力をしたり、工夫をしたりすることを悪いとまではいいません。

けれどもあまりにもスピードを偏重すると、無理が生じます。一日の仕事量を増やさざるをえなかったり、収賄とか技術の盗用、データの改ざんなどの不正につながる危険があるからです。

そんなふうでは、早く結果を出すために体力と知力、公正な心をすり減らすのも同然です。結果というのは作為的なものではなく、「自然についてくる」ものであると心得ましょう。

いつの間にか結果が目的化していると気づいたら、すぐに「結果は後から」と、意識を切り替えてください。