老後を健康に過ごすには、どんなことに気をつけるべきか。精神科医の和田秀樹さんは「老後はとにかくたくさんの種類の食べ物を摂ったほうがいい。体型を気にして油ものを控える人もいるが、むしろ老後はラーメンやトンカツを積極的に食べて油分やタンパク質を摂取するべき。体型維持のために食事制限を伴うダイエットは、むしろ不健康になってしまう」という――。(第2回)
※本稿は、中尾ミエ、和田秀樹『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』(宝島社)の一部を再編集したものです。
積極的に外食を活用したほうが良い
【中尾】中国や台湾みたいに屋台で食事をするのもにぎやかでいいですよね。
【和田】ええ、中国や台湾は外食率がとても高いんです。現実問題、外食が当たり前の国のほうが女性も働きやすい。意外と知られていないことですけれども。
【中尾】こうやって働く人たちが集まれるところが近くにあるといいですね。
【和田】日本人の悪いところで、お家のご飯のほうが外食より健康にいいと考えている。食事はね、年を取れば取るほどたくさんの種類の食べ物を摂ったほうがいいなと私は考えています。栄養素が足りないと何かしらの障害が出ることがありますから。
たとえば、亜鉛が欠乏すると味覚障害を起こすことはよく知られていますね。若い人だと亜鉛が足りなくても障害を起こすまでにはいかないのですが、年を取ってからは亜鉛が足りなくなるとかなりの確率で味覚障害になります。だから亜鉛を多く含んでいるカキとかニンニクを食べないといけない。けれども、お家ご飯だとなかなかそういう食材を使わなかったりするから不足しがちなんです。そういうときは外食がいい。
これはよくいろんなところで話しているのですが、ラーメンも健康にいいんです。みんな身体に悪いと思い込んでいるだけでそうではありません。昔と違って、今のラーメンのスープは無化調(化学調味料を使わない)が主流で、10〜15種類くらいの食材を入れて煮込んであるわけですよね。それでトッピングに野菜とメンマ、チャーシューがついて、野菜もタンパク質も摂れるし、当然、麺で炭水化物も摂れる。それだけでけっこうなバランス食になっていると思いますよ。