そこで併用をおすすめしたいのが、スマホやタブレットの録音機能です。
ネイティブに倣って発音しているところを録音し、後からネイティブの発音と録音を聴き比べてみます。すると、うまく発音できていないところを自覚しやすくなり、より素早く的確な改善につなげることができるのです。
ゆくゆくは実際にネイティブと話してみる段階に進みますが、そこでも、なるべく会話を録音・録画して聴き返すことをおすすめします。発音は「言語学習の永遠のテーマ」と言ってもいいくらい、聴き返すたびに新たな発見があるものだからです。
ステップ①を加速させるコツ
また、最近はYouTubeやPodcastなどで、ネイティブの会話を聴けるチャンネルが無数にあります。Pimsleurなどのメインツールで「ネイティブの発音を聴いて、真似する」という練習に慣れてきたら、ステップ①を加速するために、他のツールを取り入れるのもいいでしょう。
ここで、私が習得した言語ごとに、いくつかおすすめのYouTubeチャンネルも紹介しておきます(図表1参照)。
これらのチャンネルは言語学習者向けではあるのですが、堅苦しい「授業」という感じではありません。ネイティブの自然な会話を通じて、楽しく学ぶことができます。
ネイティブの「口元」「トーン」に注目する
発音は主に唇の形、舌の形、舌の位置で作られます。ネイティブの発音を真似するときは、「この音を出すには、唇をどんな形にしたらいいだろうか。舌はどんな形で、どこに舌を置けばいいだろうか」と意識してください。
動画コンテンツなどで学ぶ場合は、フレーズを言っているネイティブの口元にも注目すると、より発音のコツがつかみやすいでしょう。
意外なところでは、ネイティブの声の「トーン(高さ)」にも要注目です。これは12カ国語を習得して気付いたことなのですが、言語によって発声のトーンが異なるのです。英語、フランス語、ロシア語、ドイツ語は低めのトーン、スペイン語、タイ語、中国語は高めのトーンで発音したほうがしっくりきます。ちなみに、日本語はかなり高めのトーンだという印象です。
音声教材を使って発音を練習する際には、声のトーンも含めて忠実に真似るようにすると、より早く正しい発音が身につきやすいと思います。
「単語」ではなく「フレーズ」で覚える
ステップ①のポイントは、すでに述べたように「ひたすらネイティブが日常会話で使うフレーズを聴いて、発音を真似すること」。
こうして正しい発音を身につけると共に「すぐに使えるフレーズ」を自分の中にストックしていくことも目的のひとつです。
つまり、「単語を単体で、機械的に覚えていくのではない」ということも、ここでしっかり頭に入れておいてください。あくまでもフレーズごと覚えていくことが、次のステップ②以降で効いてくるのです。