そもそも「単語の集合体」であるフレーズを覚えれば、最低限の基本的な語彙はおのずと身につきます。

より多岐にわたるフレーズを聴き取り、話せるようになるには語彙力の強化も欠かせません。しかし単語帳などで機械的に語彙を増やしても、「どんな場面で使えるのか」がわからなければ、覚えても意味がありません。

また、主語や時制などによって動詞が何通りにも変化する言語がほとんどです。そこで動詞の原型だけをたくさん覚えるのは、実用の場面では柔軟に活用することができません。

こうした失敗は、実は私の実体験なのです。まだ自分なりの言語学習法が確立されていなかったころ、受験勉強の要領で、ひたすら単語帳を繰って英単語を覚えました。

せめて単語に併記されている例文を見ていればよかったのですが、そこには目もくれなかったせいで「使い道のわからない単語の知識」が蓄積されてしまいました。

結果として、たくさん単語は知っているのにネイティブの言葉を聴き取れない、自分から話そうと思っても使うべき単語が思い浮かばないという状態に陥ってしまったのです。

外国語学習には「最短ルート」がある

たくさん単語を覚えたのは、長い目で見れば無駄ではなかったと思います。ただ、ずいぶんと遠回りをしてしまったことは確実でしょう。

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また、日本でスペイン語を勉強していたころ、リスニングとスピーキングの練習が圧倒的に足りていなかったために、ほとんど聴き取れない、ほとんど話せないという状態に陥ってしまった反省も、ここに活かされています。

特に学び始めの段階で重要なのは、「どれだけ多くの単語を知っているか」ではなく、「基礎的な単語が、実際に話す場面で瞬時に思い浮かぶかどうか」です。

まだまだ語彙数は少なくても、実用的なフレーズと一緒に基礎単語をストックしておくことで、早い段階からネイティブとのコミュニケーションを楽しめるようになるでしょう。

より深いコミュニケーションができるようになるために語彙を増やすのは、もう少し後の段階でも遅くはありません。

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