共働き世帯にとって、毎日の夕食は悩みのタネだ。育ち盛りの子どもの夕飯は、どこまで手を抜いていいものだろうか。家族のために週に3、4日台所に立つライターの武藤弘樹さんが管理栄養士の成田 崇信さんに聞いた――。
「1日30品目」は眩しすぎる
家族の食卓を担う親・保護者が背負う重圧は、とかく大変なものである。子どもの好き嫌いを加味しながら栄養バランスに配慮した献立の作成を、家族が生きていく限り毎日続けていかねばならない。
私、筆者も最近夕食担当としてキッチンに立つようになり、食事を用意することの苦労を身に沁みて学んでいるところだ。毎日ではなく週に3、4日なのに、時に「手抜きをしよう」と堕落の脳内囁きに屈してしまうことがある。
親とて完璧超人ではないからたまには手抜きをする日があっても許してほしいところなのだが、ではどれくらいまで手抜きをしていいのかという率直な疑問が生じる。世間には「1日30品目が望ましい」といった言説もあり、この眩しすぎる理想を前にすると、「たまには手抜きしたい」という親の本音は単なる弱音のようで、口にするのが憚かられるのである。
どこまでなら手抜きをしても許されるか
どこまでなら手抜きをしてもいいのか。そんな、人に訊くには恥ずかしい質問に、真摯に向き合ってくれる専門家はいないものか。
かくして2児の父として、そして豊富な知識と大局的な俯瞰でもって日々の献立を見つめる管理栄養士として活躍する成田崇信さんにお話をうかがってまいったわけだが、常識がいくつも覆るほどの衝撃を受けることとなったので、ぜひ情報をここにシェアしたい。