※本稿は、大坂貴史『75 歳の親に知ってほしい!筋トレと食事法』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
通常の砂糖よりカロリーを抑えられる人工甘味料
人工甘味料ということを聞かれたことがあるかと思います。「便利だけどなんとなく人工の物だし、体に悪そう……?」みたいに思ってらっしゃる人も多いのではないでしょうか。ここでは人工甘味料についてお話しします。
まずそもそもですが、海外では人工甘味料という名前ではあまり言われません。例えばWHOではnon-sugar sweeteners(NSS:非砂糖甘味料)という言い方をします(※1)。そして、非砂糖甘味料の中に天然由来の物と人工的なものが存在します。
天然のものは安全で、人工のものは体に悪いというイメージが日本でまん延しており、なぜか日本では「人工甘味料」のみを区切った話が強調されていますが、国際的にはまとめられており、人工か天然かでの健康への影響が現時点ははっきりしていないため、ここではNSSとしてまとめて表現します。
NSSとは名前の通り砂糖(果糖、ショ糖など)ではない甘味料のことです。甘さが砂糖の数倍〜何万倍も強いため、同じ甘さを感じるために必要な量が少なくて済むためにエネルギーが無視できるぐらい少ないというメリットがあります。
NSSはさまざまなものに使われています。例えば通常のコカ・コーラは100mlで45kcalですが、同じ甘味のコカコーラ・ゼロ(ダイエットコーラ)には、スクラロース・アセスルファムKと呼ばれるNSSが含まれおり、カロリーはゼロです(※2)。
また、パルスイート®のような調味料はアスパルテームというNSSによって同じ甘みで10分の1のエネルギーですので、調理に使った際にもカロリーが少なく抑えられます(※3)。
通常の砂糖に比べると血糖値の上昇を抑えることができ、また、カロリーを抑えることができるため、ダイエットにも有用そうです。実際、NSSを砂糖の代わりに使用することで主に3カ月以内の短期間で、糖質・エネルギー摂取量が減り、体重が減ったという報告が複数存在します(※1)。