メンタルの強い人は何をしているか。心理学者の内藤誼人さんは「ストレスから逃げ続けているだけでは、いつまで経っても耐性はつかない。ワクチン接種や筋肉を太くするのと同じで、ほどほどのストレス経験をしておくと、その後のもっと強いストレスにも耐えられるようになる。ストレスを感じずに一生ずっと生きていければいいが、現実にはそういうわけにはいかないから、むしろ自分のストレス耐性を高めたほうがいい」という――。(第1回/全8回)
※本稿は、内藤誼人『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
ほどほどのストレス生活で「耐性」を得ることが出来る
ストレスのある生活とない生活では、どちらが望ましいでしょうか。
「そんなの、ストレスがないほうに決まっているじゃないか!」と思いますよね。
ですが、ストレスを感じる状況から逃げまくるのではなく、むしろ自分から積極的にストレスを感じるようチャレンジしてみるのも、決して悪くはありません。
なぜかというと、ほどほどのストレスを感じるようにしていると、ストレスへの「耐性」がついてくるからです。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校のラリッサ・ドゥーリーは、過去6年以内に初期の乳がんと診断された122名の女性に、どれくらいがんに関する不安や悩みを抱えているかを尋ねてみました。
また、自分の人生において、家庭、学業、仕事、金銭、恋愛などでどれくらいストレス経験をしてきたのかも聞きました。
すると、人生のいろいろな局面でほどほどのストレスを感じてきた人ほど、ストレスへの耐性が高く、乳がんになってもそんなに悩まないことがわかったのです。
ほどほどのストレスを感じることは、決して悪いことではありません。
特に若いうちには、ストレスを感じることもどんどんやったほうがいいですよ。