自分で悩みを大きくしない
私たちは、心配事について自分の頭の中で勝手に大きくしてしまうものですが、実際にそれが起きてみると全然たいしたことはなかった、ということは少なくありません。拍子抜けすることもあるでしょう。
派遣社員や契約社員として働いていて、「いつ契約が打ち切られてしまうだろう」とビクビクしている人は、失業することに大きな不安を抱えているに違いありません。
けれども、実際に契約が打ち切られても、「なんだ、こんなものか」と思うくらいですみます。失業したからといって、生命まで奪われるわけではないのですし、新しい職場を探せばすむことですからね。むやみにおびえる必要はまったくないわけです。むしろ、イヤな職場から離れられて、ラッキーと思うことだってあるかもしれません。
大切なことは、自分で悩みを大きくしないこと。
「○○になったら、どうしよう?」という思考ではなく、「○○しても、実際にはたいしたことはないかも?」という思考をとりましょう。そのほうがむやみにおびえることもなく、スッキリとした心で生きていくことができます。
たとえどんなに不幸な出来事が起きたとしても、命さえとられずにすむのであれば、何も怖いことなどありませんよ。
ストレスを予想しておく
人生というものは、苦しいことの連続です。たまにうれしいことがあったりしますが、基本的には辛いこと、苦しいことのほうが圧倒的に多いものです。
ですから、「人生というものは、思うにまかせないもので、苦しいもの」ということをあらかじめ肝に銘じておくといいですよ。
そんなふうに思っていれば、仮にイヤな出来事が起きたとしても、「ほら、やっぱりね」と気楽に受け止めることができますから。
デューク大学のアンドリュー・カートンは、あらかじめ予想しておけば、ストレスを感じる出来事が起きても、そんなに苦しさを感じないことを実験で確認しています。
カートンは、70名の大学生にある文章を読ませ、「a」で始まる単語だけを数えていくという作業をやらせました。この作業はひどく退屈で、うんざりするような作業です。実験的にストレスを引き起こすために、あえてそんなことをさせたのでした。
また、作業中には監督者があれこれと話しかけたりして邪魔をすることになっていました。これはストレスをさらに高める操作です。