人間関係を良好に保てる人は何をしているか。心理学者の内藤誼人さんは「患者さんと好ましい関係を築いていて、一度もクレームをつけられたことがない医者は、診察中によく笑い、親切にし、相手にたくさん話をさせる、という特徴があることがわかっている。面白いことなどなくとも、笑顔はどんどん見せたほうが、人間関係はうまくいきストレスも減る。男は、3年にいっぺんだけ、それも片頬をほんの少し上げてニヤリとするくらいの笑顔を見せればいいというのは大間違いだ」という――。(第4回/全8回)
※本稿は、内藤誼人『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
診察中によく笑い、一度もクレームをつけられない医師
ストレスの原因には、いろいろなものが考えられますが、私たちにとって一番のストレスといえば、やはり人間関係ではないでしょうか。
ということはつまり、人間関係をうまくやるように心がけて生活していれば、現在自分が感じているストレスを、半分、いや、8割くらい解消できるかもしれません。
では、どうすれば人間関係を円満にできるのでしょうか。
何も特別に難しいことをやる必要はありません。ただいつでもニコニコと微笑んで、愛想をよくしていればいいのです。たったこれだけのことで、どんな人との関係もたいていうまくいきます。
シカゴ大学のウェンディ・レヴィンソンは、プライマリーケアの開業医59名と、外科医65名にお願いし、それぞれ1人につき10人の患者とのやりとりを録画させてもらいました。
次にレヴィンソンは、患者からクレームをつけられたことが一度もない医者と、2回以上クレームを言われたことのある医者の2つのグループに分けて、患者とのやりとりを分析してみました。
すると、患者さんと好ましい関係を築いていて、一度もクレームをつけられたことがない医者は、診察中によく笑い、親切にし、相手にたくさん話をさせる、という特徴があることがわかりました。
とにかく微笑んでいれば、医者と患者との関係はうまくいくのです。
患者にクレームをつけられる医者は、無表情であるとか、不機嫌そうな顔をしていることが原因だとわかりました。