相手の感情に「ラベル」を貼る
怒った顔の人を見るときには、その怒りにぴったりと当てはまるラベルを考えてみましょう。
「これは、まだ“不機嫌”くらいのレベルだな」
「怒りの程度がまだ小さいから、“立腹”くらいかな」
「おお、ずいぶん怒っているな、これは“激昂”レベルだろう」
こんなふうに考えるようにすると、脳のストレス反応は起きにくくなるのです。
相手の表情に合った感情ラベルについて考えようとすると、だれでも冷静になることができます。科学者や医者になったつもりで、怒っている相手を冷静に観察するようにするのがポイントです。そうしていれば、あまりストレスを感じません。
怒っている人を相手にするときには、まともに相手にしすぎないほうがいいですよ。こちらもイライラしてきてしまいますからね。
怒っている人を相手にしてストレスを感じたら、落ち着いて相手の怒りのレベルを観察し、どんな怒りなのかのラベルを考えてみてください。
怒りには、むかっ腹、立腹、激怒、憤激、憤然などいろいろなラベルがありますので、もっともふさわしい単語がどれなのかを考えるようにするのがコツです。
頭の中で他のことを考えているうちに、相手の怒りもおさまってくれるでしょう。
上司にお世辞やおべっかをいうのはダメ
上司とは円満な関係を築きましょう。
なぜかというと、上司との関係が悪いと、嫌がらせをされたり、批判をされたり、無意味に怒鳴られたりすることがあるからです。
インディアナ大学のケネス・ハリスは、さまざまな業種で働く418名の人を対象に、職場のストレスについての研究を行いました。
その結果、上司との関係が悪い人ほど、「仕事の悩みでよく眠れない」などのストレス反応が高まることが明らかにされたのです。
上司との関係がスムーズであれば、ストレスは減らせます。
ただし、ここでひとつ注意があります。
上司との関係をよくしたほうがいいわけですが、だからといってやりすぎはダメだということです。
あまりにあからさまなお世辞やおべっかをいうのはダメです。
ハリスによると、上司との関係がよいと、ある段階まではストレスは減ります。けれども、さらに上司にすり寄ろうとすると、今度はまたストレスが高くなるのです。
「上司に好かれなければ……」という意識が強すぎると、それが別のストレスを生み出してしまうのですね。
そのため、上司とはほどほどに仲良くやっていくのが心理学的には正解です。