「男は三年に片頬」は大間違い
これは医者と患者の関係に限りません。
どんな業界の、どんな仕事をしている人でも、とにかくふだんからニコニコして人と接するようにしておけば、人間関係がおかしくなることはありません。どんな人ともうまくいく方法が、笑顔を見せることなのです。
「面白くもないのに、そんなにヘラヘラ笑っていられるか!」と感じる人もいると思うのですが、面白いことなどなくとも、笑顔はどんどん見せたほうがいいのです。
「男は三年に片頬」という言葉があります。
男は、3年にいっぺんだけ、それも片頬をほんの少し上げてニヤリとするくらいの笑顔を見せればいいのだという意味なのですが、それが間違いであることは言うまでもありません。
レヴィンソンの研究でも、そういう医者ほど患者からクレームをつけられることが多かったのです。
いつでもとびきりの笑顔を、出会う人すべてに見せてあげてください。それだけで人間関係はうまくいきますし、人間関係でのストレスもかなりの程度まで減らせます。
自分に向けて微笑んでくれる人を見つける
人前でスピーチをするのは、とても緊張しますよね。こういう緊張や不安はどうにかならないものなのでしょうか。
結論から言うと、あまり不安に感じないようにすることはできます。
どうすればいいのかというと、聴衆の中でも、特にこちらに向けて微笑んでくれている(あるいは、そのように見える)人を探し、その人に向かってだけ話すようにすればいいのです。
私は大学の講師をしておりますし、セミナーや講演会に呼ばれることも多いのですが、必ず毎回緊張します。
そのため、最初の5分くらいは、自分に向かって微笑んでいるように見える人にだけ話すようにしています。そのほうが緊張や不安を感じずにすむからです。
このテクニックは、フロリダ州立大学のノーマン・シュミットによっても効果が確認されている優れた方法です。
シュミットは、社会不安のある人に、不機嫌そうな顔の人に目を向けるという条件と、聴衆の中でも微笑んでいる人に目を向けるようにするという条件で、不安の軽減にどんな違いがあるのかを調べています。
結果は次のようになりました。
数値から明らかなように、にこやかな人を見ていれば、不安は解消されるのです。