営業力が高い人にはどんな特徴があるか。経営コンサルタントの河田真誠さんは「客が欲しいと思っているものを売るのは簡単だが、営業力がある人は商品の価値に気づいていない客に売ることができる。営業のある人は、砂漠を旅する人に水を売るのではなく、本当に必要なものを見極めることができる」という――。(第1回)

※本稿は、河田真誠『売らずに売れる技術』(ワン・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

砂漠を歩く人
写真=iStock.com/fbxx
※写真はイメージです

水、ラクダ、地図、方位磁石、食料…はダメ

お客様には「困っているから買いたくなる」という傾向がありますが、実はお客様には2種類のタイプがあります。この違いを理解していないと、売上を上げていくことが難しいので、じっくりお伝えしますね。まず、両者の違いを理解していただくために、簡単な質問をします。あなたの答えを書き出してみてください。

Q.砂漠を旅する人向けのお店を開くことになりました。何を扱えば、儲かると思いますか?

この質問は、今まで、研修や講演などでも多くの人に投げかけてきました。みんなからあげてもらった答えを、僕のほうで、AとBの二つのグループに分けてみたのですが、何を基準に分けたと思いますか?

■Aグループの答え……水、ラクダ、地図、方位磁石、食料、洋服、車、簡易トイレ
■Bグループの答え……スーツ、毛布、保険、「砂漠の楽しみ方」という本、インスタ映えポイントの紹介、砂漠ダイエット教室

完全に僕の主観なのですが、Aグループは「言われなくても、買おう! と気づいていたもの」。Bグループは「言われてみれば、たしかにいいな! と気づいたもの」です。砂漠に行くときにスーツなんて、僕は思いつきませんでした。

でも、この答えを教えてくれた人が言うには、砂漠を旅するときにもっとも適した服装がスーツなんだそうです。あるマンガに書いてあったそうです。その真偽はさておいて、ここで伝えたいことは、お客様には、自分が必要なものに「気づいている人」と「気づいていない人」がいるということです