「気づいていない人」に売れば市場が広がる
「気づいていない人」に広げていくことができると、新しいお客様が生まれ、市場全体を拡大することができるので、競合とお客様の奪い合いをしなくていいのです。ライバルたちが奪い合っている中、自分だけは新しいお客様に目を向ければいいのです。
ここまで、売れるためには相手の欲しい気持ちを引き出すこと、価格競争に陥らないためには商品の価値に「気づいていない人」に気づいてもらうことが必要だというお話をしました。この「引き出す」「気づいてもらう」ために必要なのが、相手との「対話」なのです。
商品の価値に「気づいていない人」に気づいてもらう
お客様と対話をするときの僕のオススメの方法が「聞く」「問う」「話す」を意識して行うということです。突然ですが、質問です。
一旦この記事を読むのを中断して、ノートに書き出してみてください。
「仕事がたまっている」
「人間関係が少しギクシャクしている」
など、どんなことでもいいので、素直な答えを書いてみてくださいね。
説得して売っても満足にはつながらない
今、あなたは、自分の問題や課題を自分の言葉で書き出しました。そこに書かれていることは、自分で書いたことなので、深く納得できますよね。しかし、そこに書かれたことを「これがあなたの問題や課題ですね」と他人から指摘されたら、どう思うでしょうか?
信頼関係ができていたら、素直に「たしかにそうだね」と思えるかもしれませんが、多くの場合、「そんなことないよ」と言いたくなるでしょう。つまり、他人から言われるよりも、自分で考えたり話したりするほうが、自分の気持ちに気づき、深く納得できるのです。
同じように「欲しい」という気持ちも、他人から伝えられるよりも、自分の言葉で話すほうが、自分で自分の気持ちに気づき、納得感が高まります。そのためには、「聞く」や「問う」が必要です。「聞く」や「問う」で、相手の「欲しい」を引き出すことをせずに、相手を説得して売っていたのでは、お客様の本当の満足にはつながっていきません。「聞く」と「問う」は違うんですよね。
「聞く」は、相手の話を受け取ること。相手は自分が理解していること、意識していることを話してくれます。話題も相手次第になります。そこで、「問う」ができると、もう一歩、踏み込んだ話題になります。「問う」は、価値観や気持ちなど、相手が意識していないことまで引き出すこと。「自分にこんな問題や思いがあったんだ」と気づいてもらうことができます。これが営業や商談においてはとても大切なのです。