質問を繰り返して心の余裕をつくり出す
「自分より若い女性が上司になったら耐えられる?」
「あなたを食べ物に例えたらなんですか?」
など、まったく考えてもいなかった質問にどう答えたらいいのでしょうか。それは、その場で考えるしかありません。
ここで大事なのは早く答えようとしない、ということです。即答しようとすれば、表面的な答えになってしまいます。自分で何言っているんだろうという状態で伝えても、面接官の心をつかむことはできません。
そこでまずは、答えを考えるだけの時間をつくり出しましょう。例えば「10年後にあなたはどうなっていたいですか?」と質問されたら、「……10年後、どうなっていたいかですね」と質問を繰り返してみましょう。質問を繰り返している間に、答えを考えるだけの時間をつくり出すことができます。質問を繰り返すと、面接官が「はい、10年後、にどうなっていたいかです」などと、さらに繰り返してくれることもあります。
そうしたやりとりのなかで、緊張している気持ちをゆっくりと落ち着けられる余裕が生まれます。即答することよりも、じっくり考えてから答えた方が誠実さや本気度が感じられます。なので、重要なのはじっくり考えている時の「見せ方」です。
自分の経験を深掘りすることが内定への近道になる
例えば「そうですね……」と言いながら質問の答えを考えることも有効なのですが、その時に大事なのが目線です。目があちこちに泳いでしまうと、落ち着きがない印象です。また、「えっと」と斜め上を見て考えるのは白目になっているのでカッコ悪いです。
では目線はどうしたらいいのか?
おすすめは、「そうですね……」と言って下を向いて考えたらいいのです。ポイントはアゴを引くほど下を見るのではなく、目を伏せるということです。考えている表情もきれいですし、目を上や横に動かすよりも集中して考えることができます。
採用面接を突破するためには、暗記して準備した言葉を即答するよりも、時間がかかってもいいから深掘りした自分の言葉を伝えていきましょう。先ほど紹介した「暗記してきた内容は上手く言えましたか?」と面接官に言われてしまったAさんも、丸暗記の面接練習をやめて共感ストーリーのメソッドを実践した結果、見事内定を勝ち取ることができました。
もし、あなたに「私のこの経験をぜひ聞いてもらいたい!」という思いがあれば、その熱量はイキイキとした魅力的な話し方となって表現され面接官に伝わります。採用面接に苦戦している方は、9つの質問などを参考にして自分の経験を深掘りしてみてはいかがでしょうか。