年をとればそのうち何とかなる、と思っていればいい
小さなことでいつまでもクヨクヨと悩んでいる人は、まだ年齢が若いから、という可能性があります。
若いから悩むのであって、それなりに人生経験をしていると、そのうちそんなに気にならなくなります。私たちは、自分の抱えている悩みが、今後ずっと一生つきまとうのではないかと思いがちですが、そんなふうにはなりません。大丈夫ですので、のんびりと構えていてください。
スタンフォード大学のローラ・カーステンセンは、年齢の異なる184人にポケベルを渡し、1日に5回、ランダムなタイミングで音を鳴らし、そのときに感じている感情についての記録をとってもらいました。
その結果、怒り、悲しみ、不満などのネガティブな感情を抱く頻度は、年をとるたびにどんどん「減る」ことがわかりました。ネガティブな感情を抱きやすいのは20代、30代がピークで、それから60歳になるまではずっと減少し、そこで底をついてずっと横ばいになります。年をとってくると、小さなことは気にならなくなります。「どうでもいいや」という気持ちのほうが強くなるからですね。
私も若い頃には、瞬間湯沸かし器のようにすぐにカッとなるタイプでしたが、最近はそんなに腹も立たなくなりました。20代には、メールの返信が遅いというつまらない理由で、ビジネスでお付き合いしている人に怒ったりしていましたが、今ではまったくそんなことはしなくなりました。
他人にすぐ腹を立ててしまう人も、ひょっとしたら、まだ年齢が若いからではないでしょうか。
そんな人も、そのうち怒らなくなるでしょうから心配はいりません。他人に怒りを感じるためには、エネルギーが必要なのですが、年をとってくると、そういうところにエネルギーを使うこともバカバカしいと感じるようになり、腹を立てなくなるのです。だいたい私たちが人間関係で衝突を起こすのは、相手と醜い言い争いをするからです。
夫婦でも、友だちでも、ケンカをするから仲が悪くなるのです。その点、ある程度の年齢になってくると、ケンカをするのも億劫で、面倒くさいと感じるようになり、ホイホイと相手の言いなりになっていたほうが疲れないことを学びます。
そうなればしめたもので、人と衝突することもなくなり、縁が切れるようなことにもならなくなるのです。ともあれ、もし現在人間関係で悩んでいるとしても、年齢が上がってくればそんなに悩みもなくなるはずですので、「時間が解決してくれる」と割り切って、なんとか今の状況を乗り切ってください。