夢のマイホームを購入「あなたたちのおかげ」

募金額は航空券の購入に充てられただけでない。TMZによると、昨年12月13日には、ついにラスベガス郊外に家を購入することが叶った。寄せられた資金の半分を自宅購入に活用。購入に充てた頭金は、17万7000ドル(約2600万)であった。

家は、ネバダ州境付近、ラスベガスから西へ車で1時間ほど離れたパランプの町にある。846平方フィート(約78m2)の家にはベッドルーム3室、バスルーム2室が備わる。つつましいながらも、屋根付きのフロントポーチとフェンスで囲まれた裏庭が付随。背後に広がるのは、美しいネバダの山々の景色だ。

フォーチュン誌によると集まった寄付のうち残りの半分は、娘のためや万一の備えなどのために手を付けずにおくという。

フォードさんはTikTokに投稿した動画で、「なんとか泣かずに撮ろうとしているんですが、あなたたちに見せたいものがあるんです。あなたたちがいたからこそ、可能になったものを」と語り、夢のマイホームを披露している。

寄付をしてくれたすべての人に心からの感謝を述べ、持ち家を手に入れるなど自分自身では考えもしなかったことだと語った。善意を寄せた人々への感謝を繰り返しながら、「これは本当にアメリカン・ドリーム。クリスマスの奇跡です」と動画を締めている。

にじみ出る謙虚な人柄

忍耐強く勤労を貫き、結果として人々の支援に結びついたフォードさんのストーリーは、多くの人々の共感を呼んでいる。

フォードさんは米ピープル誌に「私は、アメリカ、そして世界中の素晴らしく寛大な人々から受けた、そしていまも受け続けているすべてのサポートに対して、本当に謙虚な気持ちであり、感謝でいっぱいです!」と語っている。「人間は一度でいいから、美しいストーリーの一部になりたいのだと思います。これはまさに奇跡です」とも加えた。

TODAYのインタビューでは、「もう2日くらい泣いています」と語る。「信じられないくらいです。僕はただ仕事に行って、楽しんで、笑って、他の人たちの一日を良いものにしようとしているだけなんです」と、あくまで謙虚だ。

フォードさんを感涙させたのは、経済的な支援だけではなかった。NPRによると一連の経緯が話題になるなかで、フォードさんに、父親や兄弟、友人からのメールがたくさん届いた。メッセージを読み、苦境に立っていたフォードさんはいたく勇気づけられたという。

フォードさんは若い時分、両親の背中を見て勤労の大切さを学んだという。その精神は娘にも受け継がれた。娘のセリーナさんはTODAYに対し、「パパは私にとって世界に値する人だと思います」と誇らしげだ。