あっさりと「5万円の減額」に応じた母親

話を里中さんのケースに戻しますと、里中さんと彼女の母、そして司法書士と私で4者面談を行った結果、母は仕送りの減額に応じてくれました。お母さんは里中さんとは正反対の、派手でキャピキャピとした感じの方で、これまでのことも「当然ですよねえ、娘なら」といった感じで、まったく悪びれず。最初はどうなることかと思いましたが、あっさりと5万円の減額に応じ、司法書士の方に取り決め内容を文書として作ってもらうことができました。

これもケースとして少なくないのですが、身内に対してモラハラを行うような人は、弁護士などの専門家や権威には弱腰になることがあります。里中さんのお母さんも素直に司法書士の話を聞いたとおり、家族関係のもつれは専門家が入った方が、スムーズに進むのかもしれません。

対面で困難な交渉をしている場面
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです

心が弱っているときの相談相手には要注意

第三者に対して相談することの大切さを書きましたが、注意してほしいこともあります。まず、相談先を求めている時は、往々にして、心が弱っているタイミングだと思います。お金の問題を入り口にしてファイナンシャルプランナーに相談するのはありですが、弱みにつけ込んで商品を売りつけてくるようなケースもあるかもしれません。たとえば、相手が保険などの仲介業を行っている人かどうかなど、ホームページ等で業務内容を事前に確認しておきましょう(もちろん、そのような同業者はいないと信じたいですが……)。

また、裁判をしたいわけでもないけど、家族のトラブルを解決したい場合、司法書士は心強い存在です。私も、「このケースはどうすればいいですか?」と頻繁に相談をするのは司法書士の方だったりします。無料のWEB相談を受け付けている司法書士会もありますし、法律相談できる場を設けている自治体もありますので、自分に合った「お守り役」を見つけておくといいでしょう。

里中さんのお母さんは、この一件以降、彼女に対して距離を置くようになったそうです。呪縛に苦しんでいた里中さんも、自由に使えるお金が増え、精神的にも自由になれたことをとても喜んでいました。

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