「人権尊重のガイドライン」を提示したNHK
昨年大晦日の「第74回NHK紅白歌合戦」に旧ジャニーズ勢の姿はなかった。周知の通り、性加害問題を受けたうえでの判断だ。NHKは6つの項目からなる「第74回NHK紅白歌合戦の出演者に対する人権尊重のガイドライン」を提示し、その立場を強調している。12月20日の定例会見でも、NHKの稲葉延雄会長はSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)や新会社に新規の出演依頼をしない姿勢の継続を重ねて表明した。
「紅白」は、視聴率以上に象徴性を帯びた番組だ。ある程度のフォーマットの一貫性を保ちながら70年以上続いてきたこともあり、その年のヒットを測ってみせる物差しとして機能しているとも言えるだろうか。ことに近年は、日本のエンタテインメント全体の大忘年会のような構成になっている。
そこでジャニーズ勢は長らく大きな存在感を示していた。一昨年は白組22組のうち6組(27%)を占めていたほどだ。過去の「紅白」でもっとも多かったのは2015年の7組だ。
だが、それがいきなりゼロになった。