2000年代後半までジャニーズ枠は3組程度だった

ジャニーズ事務所のタレントがはじめて「紅白」に出演したのは、1965年のことだ。出場したのは、4人組グループのジャニーズ。事務所が創業して3年目のことだった。

その後、1970年から76年までフォーリーブスが7年連続で出場し、当時ジャニーズに所属していた郷ひろみも2回出場している。渡辺プロダクションとの業務提携を解消して法人登記をしたのは、この間の1975年だ。

だが、1977年から79年までは3年連続で不選出となる。この時期、フォーリーブスが解散し、郷ひろみは他社に移籍して、ジャニーズ事務所はかなり厳しい時代を迎えていた。

ジャニーズ事務所が芸能界で大きな存在感を発揮するのは、80年代に入ってからだ。田原俊彦と近藤真彦の大ブレイクをきっかけに、シブがき隊、少年隊、光GENJIとヒットグループを送り出し、90年代のSMAPに繋がっていく。

だが、それでも「紅白」の出場組数は限られていた。1986年と1988年は4組まで増えるが、その後は2008年まで1~3組で推移する。「紅白」は1989年から2部制となり出場歌手が増えるが、それでもジャニーズ枠は抑えられていた。1990年代にはV6とKinKi Kidsもデビューしているが、この時期には出場していない。

そうした状況に変化が訪れるのは2009年からだ。この年、それまで15回以上出場をしていたSMAPとTOKIOに加え、嵐が初出場し、さらにデビューしたばかりのNYC boysも出場した。そして、2015年には7組にまで増えていく。

【図表】1994〜2023年「紅白歌合戦」ジャニーズ事務所所属歌手・グループ出演回数(筆者作成)
1994〜2023年「紅白歌合戦」ジャニーズ事務所所属歌手・グループ出演回数(筆者作成)