資本主義の最大の問題点とは何か。カール・マルクスは『資本論』で「本来の労働とは自己実現のためのものであって、賃金を得るためのものではない」と説いた。新刊『21世紀を生きる現代人のための哲学入門2.0』(Gakken)からその思想を紹介しよう――。

※本稿は、富増章成『21世紀を生きる現代人のための哲学入門2.0 現代人の抱えるモヤモヤ、もしも哲学者にディベートでぶつけたらどうなる?』(Gakken)の一部を再編集したものです。

頭痛に悩まされるビジネスマン
写真=iStock.com/Yuto photographer
※写真はイメージです

「資本論」が今再び注目を集めている

近年、資本主義の限界について指摘する声が多く上がっています。「脱成長論」とともにマルクスの「資本論」が注目を集めており、YouTubeや書籍で一度は目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

ただ、「そもそもマルクスはどんなことを唱えた人なの?」「社会主義って何? 資本主義とどちらがいいの?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。

そこでここでは、「もしもマルクスとバリバリの資本主義者が《資本主義の問題点》について話したらどうなる?」という切り口で、資本主義の功罪やマルクスの主張を簡単にご紹介します。「資本主義や資本論についてサクッと知りたい!」と思う方はぜひご一読ください。