人生に悩んだときは、どうすればいいのか。精神科医のTomyさんは「よく他人と比較して落ち込むという人がいるが、人間は他人の人生を生きることはできない。他人ではなく『過去の自分』を比較対象に変えられれば、クヨクヨしていた自分の意識を、今の自分に戻すことができる」という――。
※本稿は、精神科医Tomy『穏やかに生きる術 うつ病を経験した精神科医が教える、人生の悩みを消す練習帳』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
人間関係の悩みは相手への期待に起因している
人間関係の悩みは、基本的に相手への期待が原因になっています。相手が期待通りの言動をしてくれないことがストレスになるのです。こんなことをいうと「期待してないつもりだけど」なんていう意見も出てきます。しかし、期待というのはいつの間にかしていて、だんだん強くなっていく性質があるのです。
たとえば、「職場で特定の人間に強く当たられる」という悩みがあったとしましょう。なぜこの人が自分に強く当たるのか、全く思い当たる節がない。当然相手に変な期待をしているわけでもない。しかし、ここには「どんな人間も職場では普通に接してくれるはずだ」という期待があるのです。だから特定の人間がそうではないときに悩んでしまいます。