日本政府による尖閣諸島国有化をきっかけに中国との関係が悪化したことで日本経済への打撃が懸念される。大和総研の試算によると、年間12兆円余りの対中輸出が1カ月間ゼロになったと仮定した場合、各種機械、化学製品など裾野が広い業種を中心に広範囲に影響がおよび、全産業で2.2兆円の生産減になるという。

同社チーフエコノミストの熊谷亮丸氏は「中国全土に拡大した反日デモは収束に向かったが、領土問題を中心とした火種は依然としてくすぶり続ける。日本企業は、こうした政治的リスクを回避するために、ここ数年いわれている“チャイナ・プラスワン”すなわち中国以外にもう1カ国、アジア地域に第2の拠点を確保する動きを加速していく」と分析する。

(ライヴ・アート=図版作成)
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