※本稿は、渡部建『世界一わかりやすい コミュニケーションの教科書』(きずな出版)の一部を再編集したものです。
「謙遜の壁」をぶち破るくらいホメなさい
いざ相手をホメようと思っても、相手を目の前にするとどこをホメるか困る人は少なくありません。ここで覚えておきたいのは、「どこをホメるかより、『まずホメる』ことが100倍大事」ということです。ずれたポイントをホメたとしても、まったくなんの問題もありません。
気づいたことを手当たり次第にホメる。まちがったホメ方なんて存在しない、くらいの認識でOKです。
とくに、日本人の場合は「褒められると謙遜して、それを否定する」という反応をされることが多いでしょう。しかし日本人の場合、ホメ言葉に相手から否定的な言葉が返ってきたら、「ちゃんとホメることができた」という証拠であると考えてもいいくらいです。
私はこれを「謙遜の壁」とよんでいますが、謙遜の壁にぶち当たっても、ひるむことなく、相手を褒めつづけてください。ホメるポイントが的確かどうかとか、ホメ方がうまいかどうかは、まったく重要ではありません。
会話のなかで相手を「ホメる」のか「ホメない」のか、それが大事なのです。遠慮せずに、謙遜の壁をぶち破るくらいホメているのか、それがポイントです。
謙遜の壁をぶち破る効果抜群の合わせ技
謙遜の壁をぶち破る方法として、ひとつ覚えておくと便利なのが「ホメ+質問」という合わせ技です。
この技を使うと、いとも簡単に謙遜の壁をぶち破ることができます。
たとえば、「すごくスタイルがいいですね」とホメだけ伝えると「いえいえ、そんなことないですよ」と謙遜されるだけですが、
「すごくスタイルがいいなとおもったんですけど、なにかトレーニングとかされているんですか?」
と、ホメに質問を組み合わせると、
「いえいえ、そんな大したことはしてないんですけど、最近ジムに通い始めて……」
といった具合に、謙遜の壁を打破して、そこからさらに相手の話したいことベースで会話を進めることができるようになります。