上司に指示を仰ぐときはどうすべきか
三流は、「どうしたらいいですか?」と質問し、二流は、自分の意見を入れて質問し、一流は、どうやって指示を仰ぐ?
「どうしたらいいですか?」と聞いて、「あなたはどうすべきだと思うの?」「自分の意見はないの?」と言われた経験はありませんか? 丸腰の状態で質問されると、一から答えを考えないといけないので、答える方は大変です。そういう背景もあって、「指示を仰ぐときは自分の意見とセット」ということがビジネス研修ではよく指導されます。
「○○商事様からクレームが入ったようです。どうしたらいいですか?」と質問されるより、「○○商事様からクレームが入ったようです。まず弊社の担当者に状況をヒアリングしたいと思いますがいかがでしょうか?」と、持論とセットで質問される方が相手は答えやすいからです。
それはとてもいいことですが、一流はさらに上をいきます。複数の選択肢を示しながら指示を仰ぐのです。
仮に、「お昼はカレーにする? それ以外にする?」と聞かれたら、「ん~」と一瞬考えそうです。「他には何かあるかなあ」と考えるからです。でも、「お昼はカレーにする? チャーハンにする?」と言われれば、スパッと決めやすいでしょう。選ぶだけでいいから楽です。理屈はこれと一緒です。指示を仰ぐとき、「AとBというパターンがあります。私はAでいきたいと考えておりますが、いかがでしょうか?」という質問の仕方で、選択肢を複数用意するということです。
複数の選択肢を用意することが重要
先ほどの例なら、「○○商事様からクレームが入ったようです。A:まずは弊社の担当者に状況をヒアリングするかB:至急私が○○商事様に連絡を入れるか今回は至急私が連絡を入れた方がいいと思いますが、いかがでしょうか?」と、比較検討できる状態で質問します。
それに対する答えは、「たしかに前回も弊社の担当がやらかしているから、今回は君から連絡を入れてくれ」「いや、まずは状況を把握することだ。弊社の担当にヒアリングをしてくれ」など、いずれにせよ選択しやすくなります。複数選択肢があるからこそ、「今回は私が直接出向く」という第三の選択肢も出やすくなります。
「どうしたらいいか?」と聞くのは三流、「私はどうしたいか?」を伝えるのは二流、「どういう選択肢があるか?」を伝えるのが一流です。相手が答えやすい質問に昇華させていく。選択肢を示すようにするだけで、質問のクオリティが格段に上がっていきます。
⇒相手が決めやすい状態をつくり指示を仰ぐ