「部下の失敗」に対して、どんな声をかけるのが正解なのか。話し方講師で心理カウンセラーの桐生稔さんは「怒りをぶつけるのは論外だが、『次回の対策は?』などと聞くのもよくない。私が勧めたいのは『本当はどうしたかった?』と問いかけることだ」という――。(第3回)

※本稿は、桐生稔『質問の一流、二流、三流』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

指を立てて部下を叱る人
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失敗してやる気がなくなったときにどうすべきか

【相手が失敗したとき】
三流は、「なんでそんなことをしたんだ!」と怒鳴り、
二流は、「次回の対策は?」と質問し、
一流は、どんな質問をする?

人がやる気をなくすのは、どんなときでしょうか?

それは、失敗したときや、うまくいかなかったときではないでしょうか。何もかもうまくいっているときは、やる気のことなんて考えません。スピーチをしたら大絶賛され、商談したら契約が取れて、好きな子に告白したらOKがもらえる。そんな絶好調のときに人は落ち込みません。問題は、失敗したときです。

失敗は、人間にとっては生命を脅かす危機だからです。そんな大げさな……と思われるかもしれませんが、そうでもありません。人類が誕生して約500万年。この歴史の中で、猛獣に襲われるか、飢えと闘うか、暑さ寒さに耐えるか、そんな過酷な環境下で、人類は生命を維持してきました。一歩間違えれば死が待っている生活が長かったのです。

失敗を続けていたら子孫は残せません。だから人間は、積極的に失敗を回避しようとします。いちいちやる気なんて出されたらたまったものではありません。脳の仕組みからすると仕方がないのです。ただ、現代において、何か失敗したからといって生命が脅かされるようなことは、ほぼないですよね。だからこそ、失敗しても前を向けるようにサポートしてあげれば、相手のやる気を取り戻すことができます。