消費税はむしろ「弱いもの助け」と言える

それにお金持ちは、日々の生活における消費も大きい。今月の食費を計算しながら特売の品に手を伸ばす庶民を尻目に、食べたいときにはためらわず、和牛でも高級メロンでもなんでも買い物カゴに放り込む。その財力があるわけです。

うらやましいですよね。しかしそのすべてに消費税がかかると考えたら? 1000万円の車一台、1億円の家一棟に消費税がいくらかかるか、計算してみてください。

そう、それが、「困っている人」を守るお金になるわけです。

お金持ちがお金を使えば使うほど、困っている人を助けるお金になる。消費税は決して「弱いものイジメ」ではないし、むしろ「弱いもの助け」とも言えるでしょう。

出口治明『働く君に伝えたい「考える」の始め方』(ポプラ社)
出口治明『働く君に伝えたい「考える」の始め方』(ポプラ社)

みなさんが生きる社会は、かつてのヨーロッパ以上――いえ、それどころか世界一の少子高齢化社会です。そもそも、もはや「ヤング・サポーティング・オールド」が成り立たないことは自明です。

しかし、ヨコ――先輩諸国がトライし、しかも成功しているやり方があるのです。決して絶望的ではありませんよね。あとは、やるかやらないかです。

年齢で社会を分けず、がんばれる人が困っている人を助ける。

シンプルで、明るい社会になると思いませんか?

――これが、僕が自分の頭で考えた結論です。みなさんの考えはどうでしょうか。

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