ネット上にはさまざまな「意見」があふれている。そのなかで、自分の考えを持つにはどうすればいいのか。立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんが提唱している思考のツール「タテ・ヨコ・算数」を使って、日本の税金制度について考えてみた――。

※本稿は、出口治明『働く君に伝えたい「考える」の始め方』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。

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写真=iStock.com/Dilok Klaisataporn
※写真はイメージです

よりよく思考するための三種の神器

どうすれば、「考える力」をつけることができるのか?

このシンプルな問いにひと言では答えられませんが、考える力は筋肉のようなものです。地道に積み重ねていくことでしか力をつけられないのは、間違いありません。知り、学ぶ。問い、考える。面倒くさがらずにこのプロセスを辿りましょう。

たとえばニュースを見ながら「国連ってそもそもどういう存在だっけ?」と疑問を持ち、定義を確認してみる。そのうえで、「これはおかしくないかな?」と問い、自分の考えを持つ。面倒かもしれませんがその作業から逃げず、考える練習を重ねてほしいと思います。若いみなさんなら、すぐにコツをつかめるでしょう。

ここでもうひとつ、「どう考えるか」の具体的なテクニックをお伝えします。

僕の提唱している思考のツール、「タテ・ヨコ・算数」です。

先人たちの知恵は現代でも役に立つ

これはあらゆる問題に対応できるうえに一生使える優れものですから、ぜひとも身につけてほしいと思います。

まず、タテとは「歴史」の時間軸です。昔の人はどう考え、どう決めてきたのか。

「ええー? スマホもない、テレビもない、ぜんぜん違う時代の人の話なんて参考になるの?」

そう思うでしょうか。たしかに、ここ数十年だけ見ても、社会は大きく変化しています。それ以前の生活など想像できないくらいです。

ところが、変わっていないものもある。それこそが、人間の脳です。人間の脳は、じつはここ1万年ほどまったく進化していない。だから先人の知恵は、アテになるのです。