意志が弱くても即行動できる方法がある。それは仕組み化だ。3人の実践者が先延ばし癖を解消するためのテクニックを明かす。
ガジェット編:テクノロジーで「考える回数」を減らす
勝間和代
勝間和代(かつま・かずよ)
1968年、東京都生まれ。経済評論家。早稲田大学ファイナンスMBA。慶應義塾大学在学中から監査法人に勤め、アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。3女の母。YouTubeやSNSでも積極的に発信中。

私が嫌いなもの。それは「我慢」「努力」「苦労」です。同じことを繰り返したり、必ずしも自分でやらなくてもいいことをしたりするような、生産性が低く効率的でない時間は気持ちよくありません。そういった時間を排除するため、生活を仕組み化するように意識しています。時短を目的として取り組んでいるのではなく、ウェルビーイングのためにやっているという感覚です。

脳のリソースには限界があります。私は考えることそのものは大好きですが、「ルーティンのために繰り返す思考」「自分のアップグレードにつながらない思考」には、できるだけ頭を使いたくない。深く物事を考えたり新しいことを考えたりするために、脳のリソースをとっておきたいので、仕事や日々の生活を最適化してくれる家電やサービスを常に探しているのです。

勝間和代『仕事と人生を変える 勝間家電』(ダイヤモンド社)
勝間和代『仕事と人生を変える 勝間家電』(ダイヤモンド社)

たとえば、着るものについては衣服のサブスクリプションサービスを使っています。好きなファッションを選ぶ楽しみもある一方で、ちょっと出かけるときや、日常生活で着るものを、いちいち考えるのは億劫です。利用している「エアークローゼット」では会員のサイズや好みに合わせて、季節やトレンドに合った服を選んで定期的に送ってくれます。

調理家電は、ウォーターオーブン「ヘルシオ」と電気調理鍋「ホットクック」を愛用しています。いずれもスイッチを入れればあとは調理終了まで放っておけて、その時間はほかのことに使えるのが魅力です。洗濯は乾燥機能つき全自動洗濯機、皿洗いは食洗機にお任せしています。「食洗機では汚れが落ちない」という声もしばしば聞きますが、説明書通りだとあまりうまくいきません。入れる食器を指定の半分以下にして一番早いコースでこまめに洗えば十分役立つし、食器の傷みが気になるのであれば乾燥機能を使わず自然乾燥させればいいのです。家電は「おまかせモード」のようなパッケージでうまくいかない場合は、自分のニーズに合わせていろいろ工夫することも重要です。

メモアプリや音声入力で脳の負荷を減らす!

デジタル系のテクノロジーももちろん活用しています。とはいえ、あまり凝ったソフトなどは使っていません。

日々のタスクはメモアプリである「グーグルキープ」に思いつくまま書き出して、済んだものはすぐアーカイブに回しています。必要なときは検索して見つければいいと考えており、ラベルや色分けは一切していません。日時が決まっている予定は「グーグルカレンダー」に書き込んで、そのまま忘れてしまいます。前の日に翌日の予定をチェックすれば、それで十分です。

効率化のための道具として非常に有用なのが、音声入力です。キーボードに比べて体感4〜5倍のスピードで入力できて、脳の負荷も少なくて済みます。特に生成AIを使うときに相性がよく、長時間の対話において手で文字を打つよりもはるかに疲れません。歩きながらふと思いついたことを、スマホのメモアプリに記録するときにも便利です。

スマホではAndroidの音声入力機能を使っていますが、パソコンではアプリ「スーパーウィスパー」を愛用しています。採用されているOpenAIが開発した音声認識モデル「ウィスパー」がとにかく優秀で、小声で話してもきちんと認識してくれるだけでなく、オフラインでも動作するので、回線環境がよくない出先でも快適に使えます。

スマホ以上に生産性を上げてくれると感じるのが、スマートウォッチです。スケジュール管理、運動量や健康情報の記録、タッチ決済などに使用しており、特に気に入っているのが、「Pixelウォッチ」のナビ機能です。知らない街を歩くときも、手元にグーグルマップが映り、ワイヤレスのヘッドホンで道案内を確認すれば、危険な歩きスマホをせずにすいすいと行動できます。一番よく使うのは、シンプルなアラーム機能です。たとえば、出かける用事があるときには10分前に設定。アラームが鳴るまでは出かけることを忘れて、目の前に作業に集中することができます。

勝間氏が愛用するPixelウォッチ。電子マネーやIC乗車カードとして使う機会が多いため、利き手の右手に装着している。
撮影=編集部
勝間氏が愛用するPixelウォッチ。電子マネーやIC乗車カードとして使う機会が多いため、利き手の右手に装着している。

家電にせよテクノロジーにせよ、長所と短所の両方が必ずあるし、あちらを立てればこちらが立たずといった技術的なトレードオフがあるものです。ですから、導入するときには自分のライフスタイルや価値観と合うかどうかをよく考えて選ぶべきでしょう。

(構成=川口昌人)