“命の値段”の最高はアラブ首長国連邦の8兆5000億円、日本は5兆3000億円。各国の1人当たりGDP額と平均寿命をかけあわせるとこうなる。統計データ分析家の本川裕さんがさらに“幸福度の値段”を算出すると――。

世界各国の平均寿命 下は50歳台、上は80歳超

本来は、いのちや幸福はお金では買えない。しかし、国際比較上は、所得水準と寿命、あるいは所得水準と幸福度は相関しており、それらがお金であがなえる側面もあると言わざるをえない。今回は、こうした点にかかわるデータを紹介することとしよう。

まず、いのちの値段を探るため世界各国の平均寿命を見ていこう。図表1には、平均寿命の世界マップを掲げた。

大陸ごとに平均寿命の顕著な特徴が見てとれる。

まず、サハラ以南アフリカ、特に熱帯アフリカの短さが目立っている。ほとんどの国で70歳未満であり、赤道付近では50歳台の国もかなりの数存在している。

欧米地域(西欧、中欧、北米、オーストラリア・ニュージーランド)は、すべて75歳以上であり、80歳以上の国も多い。平均して寿命が高い地域である。

南米は70歳代の国が多く、60歳台の国も若干ある(チリだけ例外的に80歳以上)。

アジアは、世界一クラスの長寿国日本、そして韓国も80歳以上と長寿命の国もあるが、他方、アフガニスタン、パキスタン、ミャンマーなどは60歳台とかなり低くなっており、高低差が目立っている。その中間に70歳台後半の中国、70歳台前半のロシア、インドが位置しており、多様さが特徴の地域である。