「接客トークで『これはいける!』というフレーズを聞いたら、遠慮なく使わせていただきます」

ドロシーズ
心斎橋大丸店
西村美紀

1983年生まれ。2004年フランドル入社。09年11月より「ドロシーズ」店長。

屈託ない笑顔でにこやかに語るのは、ヤングカジュアルブランド「ドロシーズ」大丸大阪心斎橋店の店長、西村美紀さんだ。

もともと「めっちゃシャイで口下手」だった西村さんが新しくオープンする大丸心斎橋店・店長に配属されたのは2009年11月のこと。

大丸心斎橋の北館は百貨店としては思い切った大改革を試みて大きな話題を呼んだ。通常なら食品街であるべき地下1、2階部分を、すべてヤングカジュアルのファッション専門フロアとして大改造したのだ。心斎橋界隈を闊歩する女性の60%がアラサー以下であることを踏まえた新戦略で、「うふふガールズ」と名付けられたフロア全体は、百貨店離れが進む10~30代の心を見事にとらえた。

しかし彼女が働く「ドロシーズ」はブランド自体が、立ち上げから1年という新参者。他店と比べて知名度も低く馴染みの顧客もついてないため、「うふふガールズ」内でも最初は苦戦を強いられた。

「周囲のお店からは『ありがとうございます!』という声が響いてくるのに、うちは閑古鳥状態。たまにお客さんがきても、『この店名何て読むの?』と去ってしまう」

とにかく1人残らず来店客には声をかけ認知度を高めることを目指した。さらに年齢層に合わせたトーク術も心がけた。10代の客にはテンションを高くして友達感覚で接するが、親子連れには財布の紐を握っている母親に合わせて敬語をしっかり使う。イメージは「彼氏のお母さんと話すように(笑)」。