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Zaiとネットマネーは日経平均とほぼ連動したが、日経マネーは利益率がマイナスに

日経マネー誌については、全銘柄に投資した場合の利益率がマイナスであった。ただし、全銘柄に「同じ金額だけ」投資するという手法をとっていれば、若干プラスで終わっていたことは指摘しておく必要がある。もっとも、記事で推奨していた10銘柄のうち、値下がりしたものが3銘柄もあり(日特建設、菱電商事、日本板硝子)、特に、31.41%下がった銘柄(日本板硝子)があったのはいただけない。また、値上がり幅が最も大きかった銘柄(フランスベッドホールディングス)でさえ上昇率は11.19%にとどまった。結果、どのような理屈をもってしても、選択すべきでなかったという結論となる。

とはいえ、各誌ともまったくの外れはなく、タイミングを当てていればそれなりに利益を確定することができていた。ただ、それぞれ程度の差はあれ、動き方は日経平均とほぼ同じであった。つまり、ある程度の銘柄数になると、日経平均そのものに投資することと効果があまり変わらなくなるといえる。

私はもともと、銘柄選択なるものはまったく信じていない。3カ月という短期間ではあるが、今回の分析からもわかるように、結局、日経平均に投資していたこととそれほど大きく変わるわけではないことが明らかなのだから、個人的には、雑誌で推奨された個別銘柄を購入するのであれば、代わりに日経平均のETF(上場信託投信)を購入するだろう。

※すべて雑誌掲載当時

金融アナリスト 永野良佑(ながの・りょうすけ)
外資系の金融機関を中心に、先端的な金融商品の開発に長く従事。執筆・講演活動のかたわら、金融教育分野にも高い関心を持つ。『20代からのファイナンス入門』(ちくま新書)など著書・論文多数。
(構成=プレジデント編集部)
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