関ヶ原は、ワーテルロー(ナポレオン戦争)、ゲティスバーグ(アメリカ南北戦争)と並んで「世界三大古戦場」に選ばれている。なぜなのか。直木賞作家の今村翔吾さんは「あれだけ狭い場所に約17万の軍勢が集まったのは世界史的に稀有な出来事であり、海外では軍関係者を中心に関ヶ原の戦いを学んでいる人が少なくない」という――。

※本稿は、今村翔吾『教養としての歴史小説』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

「関ヶ原合戦屏風」、江戸時代後期
「関ヶ原合戦屏風」、江戸時代後期(画像=岐阜市歴史博物館蔵収蔵/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons

ロシアのウクライナ侵攻の根はチンギス・ハンが作った

2022年2月、ロシアがウクライナに軍事侵攻して、世界に大きな衝撃を与えました。日本でもこの戦争への関心は高く、報道に心を痛めている人はたくさんいます。ニュースでは街頭インタビューなどで、「早く戦争が終わってほしい」と願う人の姿がたびたび報じられています。

では、同じ街頭インタビューで、「なぜロシアはウクライナに軍事侵攻したのですか?」と聞いたとしたらどうなるでしょうか。70〜80点レベルの回答ができる人は、非常に限られるのではないかと思います。

日本人は知的レベルが高いとされてきたはずなのに、情報があふれすぎているせいなのか、物事を深く知ろうとする意欲が薄れてきているように感じます。大切なのは「どうしてこうなっているのか」に関心を持って調べること。まずは知識を持つことが、深い議論につながります。

私の解釈では、ウクライナ戦争に関わる発端の重要人物の1人は、チンギス・ハンです。「究極のところ、チンギス・ハンのせいで今、戦争していると思ってくれたらいいわ」というと、若い世代の人たちは、けっこう興味を持ってくれます。