かつて日本の成長力の源泉とされた中間層は消滅したのか? 中間層の二極化の実態をアンケート結果から詳らかにする。
調査概要/平成22年4月23日から27日までインターネット上でアンケート調査を行った。30~50代を上流・中流・下流の区分に分け各層の人数がほぼ同数となるよう調整。調査実施機関は株式会社インテージ。
上流階級に属する人は、プリウスに乗り、日経新聞を読み、ロレックスをつけて、龍馬伝を見る。一方、下流階級に属する人は、カローラに乗り、新聞を読まず、カシオをつけて、ネプリーグを見る――。
日本が格差社会に突入して久しい。これまでは格差の象徴として、一部の富裕層やワーキングプアといった極端な存在が注目されてきた。しかし、もはや一般のビジネスマンにとっても格差は対岸の火事ではない。
定期昇給が見込めず成果給が幅を利かせるいま、優秀な人はより高収入に、そうでない人はより低収入へと引っ張られている。中間層は、いずれ消えゆく運命だ。一般のビジネスマンの間でも、生活様式や行動形態に一定の違いが出てきていることは想像に難くない。
そこで今回、プレジデント編集部で全国の30~50代の現役世代1039人を対象にアンケート調査を実施。世帯年収によって上流・中流・下流の3階層に分け、それぞれの実像を探ってみた。各階層の人数は、350人前後とほぼ同数となるよう調整した。男女比も各階層で7対3と揃えた。また、年齢が上がるにつれて所得も増える現状の傾向を踏まえ、今回は各世代の平均所得に見合った基準で階層を定義した(図1)。
その結果、浮かび上がってきたライフスタイルが、冒頭に挙げた上流像・下流像だ。そのほかにも注目すべき傾向がいくつか見て取れた。上流・下流によって、行く店や食べる物、お金の使用法にどのような違いがあるのか。そして、その差を生み出す要因はどこにあり、価値観はどのように異なるのか。さっそく紹介していこう。