かつて日本の成長力の源泉とされた中間層は消滅したのか? 中間層の二極化の実態をアンケート結果から詳らかにする。

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調査概要/平成22年4月23日から27日までインターネット上でアンケート調査を行った。30~50代を上流・中流・下流の区分に分け各層の人数がほぼ同数となるよう調整。調査実施機関は株式会社インテージ。

TV、賭博は人を不幸に?

上流でも自分は不幸だ、と答える人がいる。逆に、下流であっても幸福だ、と感じる人がいる。

アンケートの答えの掛け合わせで、それぞれの価値観を見てみると、所得とは別に幸福を満たすいくつかの要素が表れてくる(図28~34)。

まず大きな要因として表れたのは結婚の存在だ。上流でも不幸な人の過半数が未婚なのに対し、下流でも幸福な人で未婚者はわずかに4%(図28)。

また同居する家族については、下流でも幸福な人は配偶者と子供のいる人が多く、上流でも不幸な人は独身で親と同居している人が多かった(図29)。結婚、そして子供の存在が、幸福の大きな要因であるようだ。