厚生年金の保険料率は12.4%から18.3%へと引き上げられた
次に大きいのは、年金保険料率の引き上げで、たとえば厚生年金の保険料率は12.4%から18.3%へと7.9ポイントも引き上げられている。それだけ負担を増やしたのに、厚生年金の支給開始年齢は60歳から65歳へと繰り延べられた。
一方、国民年金の保険料は、月額7700円から1万6590円と2倍以上に上がっている。
そのほかにも負担増は目白押しだ。東日本大震災の復興を支えるための復興特別所得税は、2013年から所得税に2.1%を上乗せする形で設けられていて、25年間続けられることになっているが、防衛増税との関係もあり、延長される可能性が高い。
「控除の縮小」も相次いでいる
一方、控除を縮小するという形での所得税増税も行なわれた。
たとえば、サラリーマンの経費相当額を概算控除する目的で設けられている給与所得控除は、1988年当時は、給与収入に応じて無制限に増えていた。
しかし、2013年分から、給与収入1500万円を超える場合の給与所得控除に245万円の上限が設けられた。
また、2017年分からは、給与所得控除の上限が給与収入1000万円超で220万円となり、さらに2020年分からは、給与所得控除の金額が、給与収入の金額にかかわらず、一律10万円引き下げられるとともに、給与収入850万円を超える場合の上限が195万円とされることになった。
こうして本来経費として控除されるはずの金額が所得に振り替えられ、増税されていったのだ。