飲食店チェーン「ラーメン山岡家」(本社:北海道札幌市)が好調だ。昨年の既存店における売り上げ高と客数の増加率は、マクドナルドを超えた。好調の理由はどこにあるのか。経営コンサルタントの岩崎剛幸さんがリポートする――。
山岡家 樽川店
山岡家 樽川店(写真=Asacyan/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons

コロナ禍に既存店売上高と客数を伸ばし続けている

ラーメン店チェーンの「ラーメン山岡家」(株式会社丸千代山岡家)が好調です。コロナ禍で飲食店が苦しんだ20年、21年も売り上げを伸ばし、22年に入ってからはさらに売り上げを伸ばしています。

特に驚くのが23年1月期(22年2月~23年1月)の既存店売上高は前年同期比で119.3%、客数は116%と客数を増やして売り上げを伸ばしているのです。

19年比で見ても客数を2桁伸ばしており、飲食業界注目の会社と言えるでしょう。

飲食業界ではマクドナルドも好調ですが、ほぼ同時期の22年12月期(22年1月~12月)の既存店売上高は前年同期比で108.9%、客数は103%です。山岡家はマクドナルドを大きく超える実績をたたき出しているのです。

山岡家は一体どんな店づくりでお客を引き付けているのか。山岡家の店に行き、山岡家自慢のラーメンを食し、そこであらためて山岡家の逆張り経営とも呼べる戦略を目の当たりにすることになりました。

なぜ3年で売り上げ高が1.5倍になったのか

まずは山岡家の業績推移を見てください。

【図表】山岡家損益実績比較表

伸び率は23年とコロナ禍前の19年との比較ですが、売り上げは145.6%です。営業利益も19年を26%上回り、コロナ前の実績比較では飲食業界でもトップクラスの伸びです。この実績をほぼ、ラーメン業態のみで作り上げている点が特筆すべきところです。

ではこの山岡家の高成長経営を支えるのはどんな戦略なのでしょうか。