ますます重要になる学習のプロセス 支えるのは家庭

骨太の学力をつけるために、家庭では何をすればよいのか――。

まず大事なのが、「ちゃんと読む」「ちゃんと書く」習慣を身に付けることだ。「ちゃんと読む」とは、問題文を読みながら「今、何が分かっているのか」(仮定)、「何を聞かれているのか」(結論)を意識すること。それを意識せずにただ読み進めてしまうと、ポイントが抜けていたり、条件に気づけなかったりといったことが起こる。

「ちゃんと書く」とは、文章を読みながら大事なポイントに線を引いたり、図形問題を解くときに図を書きながら考えてみたりといった作業をいう。こうした手作業を面倒くさがらないことがまず大切。そして「この問題を自分の力で解いて見せるぞ!」という強い気持ちも不可欠だ。つまり、どれだけ自分ごととして捉えることができるかどうか――。「こういう問題のときはこう」といった機械的なくり返し学習では決して身に付かない力だ。

勉強中の学生の手元
写真=iStock.com/taka4332
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子供が自らできるようになるまでには時間がかかる。そこで、まずは親が問いかけをしてあげて欲しい。

「今、分かっていることは何?」
「正解が出るためには、何が分かっていないといけない?」
「何を書けばそのことが分かりやすいかな?」
「今書いたことから何が分かる?」

ここで大切なことを一つ覚えていてほしい。このような質問は、決して詰問調にはしないことだ。そして、子供の返答にはまずイエスを返す。間違っていても、決して「そうじゃないでしょ」と叱らないでほしい。

こうした会話をくり返すことで少しずつ、意識的に「ちゃんと読み」「ちゃんと書く」ようになる。そして、この学びの姿勢が身に付くと、どの教科もバランスよくできるようになる。