中年以降、同年代の男性より女性のほうが元気に見えるのはなぜなのか。精神科医の和田秀樹さんは「女性は閉経を機に性的なエネルギーが高まるが、男性は地味なファッションに満足し、しょんぼりと元気がない。これは性愛に対する興味を失っているからだ」という――。(第2回)
※本稿は、和田秀樹『いつまでもハツラツ脳の人』(日刊現代)の一部を再編集したものです。
「アンチ・エイジング」は誤解されている
最近、以前にも増して「アンチ・エイジング」という言葉をよく聞くようになっています。
とくに美容に熱心な女性の間では、シワやほうれい線を消すためにヒアルロン酸を注入する施術などが増えているようです。
アンチ・エイジングは「健康的に年齢を重ねること」がひとつの目的ですが、それ以外にも「健康な人を、さらに元気に美しくする医学」という一面があります。
健康寿命を延ばすとともに、体の美を求める医療ともいえるのですが、日本では未だに否定的な見方が少なくありません。
美容整形も含めて「お金で美しくなる」ことへの偏見が、日本人には抜きがたくあるような気がします。
しかし、メイクアップをするために化粧品を購入したり、髪の毛をセットしたりするのと基本的には同じことで、男女を問わず、美しくなるために努力するのは大切なことです。
私は高齢者施設で数多くの高齢者と接してきましたが、心身ともに若々しい人に共通しているのは、オシャレなことです。
それは高価なものを身につけているということではありません。
首元に可憐なスカーフを巻いたり、少し目立つ、さし色の靴下を履いたりと、こざっぱりしたファッションの中にさり気ないセンスを見ると、オシャレだなと感心してしまいます。
しかも、そういう人にかぎって健康で頭もシャキッとしていることが多いのです。