社員が自主的に働くチームとはどんな組織なのか。エグゼクティブ・コーチの林健太郎さんは「リーダーにたいして“控えめな好意を寄せる”応援団のような存在がいると、全体のパフォーマンスが高まります」という。そうした上司が応援団社員にかけている言葉とは何か――。

※本稿は、林健太郎『否定しない習慣』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

ビジネスプロフェッショナルが一緒に働く
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相手に否定を感じさせない技術

→否定に感じさせない伝え方3選

人間関係で大事なのは、相手に嫌われないことです。万人から好かれるのは難しいですが、嫌われないことというのは否定をやめることで誰もが目指すことができます。嫌われないとは、表現を変えれば、「好きでも嫌いでもない」というニュートラルな状態。

ここで、理想を言わせていただければ、このニュートラルな状態から、たったの1パーセントでもよいので、相手が「好意を持っている」という方向に針をふれさせることができれば、私はそれでもう十分な人間関係だと思っています。

そんな関係を実現するためには、やはり否定しないこと。

そうは言っても現実問題「否定せざるを得ない場面」に出くわすこともありますよね。

ここで、プラス1パーセントの好意を持ってもらうための「相手に否定を感じさせない伝え方」について、3つご紹介しましょう。

否定に感じさせない伝え方1 面白おかしくする

相手が否定だと感じないように、軽やかに否定する工夫です。たとえば、相手の提案を聞いたとき、ニヤッとして、「そうきたか!」「次の案、いってみよう!」とか、余裕の笑顔で言ってみる。キツイ表情と口調で否定されると致命傷になってしまいますが、面白く、楽しい雰囲気で伝えると、言われた側も深刻に受け止めにくくなります。

否定に感じさせない伝え方2 逃げ道を残す

たとえば、あなたが業務中に、部下がつくっている提案書をチェックしているとして、何か問題を発見したとします。

そんなとき、頭から否定するのではなく、「これはまだ、未完成だよね」とか「参考に、ほかの候補案も今度見せてよ」など、逃げ道を残す言い方にしてみる。こうすれば、相手を追い詰めなくて済む可能性があります。

否定を感じさせない伝え方3 期待をほのめかす

「この案もいいね。○○さんなら、さらにいい案が出せる気がする。もうすこし粘ってみてほしいな~」「今までの○○さんの実力を見てきている私からは、今回まだ力を出し切っていないように感じているよ」