若者に浸透するTikTokの裏の顔

中国ByteDance(バイトダンス)社の動画アプリ「TikTok(ティックトック)」の勢いが止まらない。

ダンス動画や料理、コミカルな寸劇、そして「チャレンジ」と呼ばれる各種の流行企画など、バラエティー豊かな短編動画で若いユーザーを中心に人気を博している。

iPhone上に表示されたTikTokなどSNSの各種アイコン
写真=iStock.com/5./15 WEST
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ブルームバーグは6月、TikTokが今年の収益を前年比3倍となる120億ドル(約1兆6000億円)にまで伸ばしており、「ソーシャルメディアにおけるFacebookの支配を脅かしている」と報じている。

特に9歳から20歳未満の少女たちを魅了しており、こうしたユーザーは「Facebookを開こうなどとは考えない」層だと記事は指摘する。

一度見始めると止まらない中毒性も魅力だ。アプリを開くと画面いっぱいにおすすめのショート動画が表示され、気に入らなければ上へスワイプすることで、キャッチーな音楽に乗せたショート動画が次から次へと表示される。

従来のソーシャルメディアは、フォローした友人同士の限られたコンテンツを主体としていた。TikTokではアルゴリズムがおすすめ動画をセレクトし、世界中のショート映像をテンポよく視聴できる点がうけているようだ。

米データ分析企業のdata.ai社によると、中国を除く世界ユーザーの月間平均TikTok視聴時間は、2018年からの3年間で実に4.7倍に増加した。現在ではユーザー1人あたり月に19時間以上利用しており、Instagramの利用時間を75%も上回る。

急拡大中の同アプリだが、ダークな一面があるとの指摘が絶えない。

動画機能は「羊の皮をかぶったオオカミ」

米連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー委員は6月24日、AppleとGoogleに宛て、両社のアプリストアからTikTokを削除するよう求める書簡を送っている。氏はまた、TikTokが「国家安全保障上の重大な脅威」をもたらしているとの報道があると指摘した。FCC全体としての指示ではなくあくまで一委員としての書簡だが、スマホ業界を実質的に支配する2大ストアから駆逐すべきという大胆な提言だ。