なぜ営業は「きつい仕事」と言われるのか。エグゼクティブ営業コーチの河合克仁さんは「『売りたい』という本音を隠してしまうとキツくなる。営業の仕事は『51%の真心と49%の下心』から始めていい」という――。

※本稿は、河合克仁『今日からできる ゼロストレス営業』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

長時間働くことで疲れを感じます
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「話を聞くだけでも結構ですので」のウソ

営業パーソンが口癖のように口にするこうしたセリフ。

・ご挨拶だけでもさせていただければと思いまして
・話を聞くだけでも結構ですので
・(商品/サービスの)ご紹介だけでもできればと思いまして

定番のセールストークです。……が、こうした言葉って本心でしょうか?

十中八九、本心ではないですよね。本音はシンプルに、

・買ってください!
・今、契約書にサインしてください!
・紹介もお願いします!

ではないでしょうか?

でも、本心を伝えたら、会ってもらうことすらできなくなってしまうのでは……。だから、「せめてお会いするだけでも」というニュアンスのトークが口から出てしまうことはあると思います。しかし、このように本心でないことをオブラートに包もうとすると、営業はしんどいものになっていきます。

そもそも、相手にもバレていますよね。営業の本音が。自分も、そんなことはわかった上で、つい言ってしまう……。その違和感の積み重ねがボディーブローのように効いてくる……。これが「営業がキツい仕事」と言われる理由の一つです。