男性は「たくさんのお金があればモテる」と思い込みがちだが、それは全部勘違いだ、とするのは、「進化論的モテのノウハウ」を明らかにした『モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた』だ。女性たちはお金ではなく、一定のお金を得る力、またその使い方によって男性たちの「特性」と「資質」を判断するのだという──。(第5回/全5回)
※本稿は、ジェフリー・ミラー、タッカー・マックス著、橘玲監訳『モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
女性にモテるのに「お金」はどれくらい必要か
世の中にはびこる思い込みのひとつに、女性は男性の懐具合ばかり気にする、というものがある。礼儀正しいが横柄な男性は、そのような女性を「うわっつらだけ」とか「物質主義的」と呼ぶだろう。辛辣な男性は「飢えたカネの亡者」と呼ぶだろう。
そのような言い方をするのは主に年配の男性だが、若い男性も女性の強欲さを批判するような考えに呑み込まれることがある。自分より高い給料をもらって、素敵な服とカッコいい車をもち、おしゃれなマンションに住んでいる男性に彼女を取られたときはなおさらだ。
「カネ目当ての女どもは素敵な車と高級レストラン、派手な宝石にしか興味がない。まったくクソったれ。愛はカネでは買えない。デートっていうのは相手の中身を見るもんだろう」
これは間違いだ。ただし、半分だけ間違っている。
重要なのは長期的な安心安定
女性が重視するのはお金だけではないが、お金も確実に重要だ。それには非常に正当な理由がある。「金銭には性的魅力がない」「貧しさは女性から嫌悪されるものではない」なんていうのはバカげているし、考えが甘い。
財産の額とパートナーとしての魅力は一対一の対応はしていない。実際、女性が男性の魅力的な資質をランク付けするとき、富が7位より上にくることはめったにない。
女性が長期的なパートナーに求めるのは、家族を養い、まともな人生を送ることのできる資質だ。金持ちになる必要はないが、かといって、稼ぐことに怠惰になったり見境なく浪費したりしてもいけない。