※本稿は、ジェフリー・ミラー、タッカー・マックス著、橘玲監訳『モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
モテの“核心的な”5つの原則
モテるために、性についてのあれこれの知識やデート戦略のチェックリストをつくっても意味はない。
どんな場面でも使える、それだけを理解し暗記して、1つひとつこなせばオーケーという便利なマニュアルがあるわけではない。飲み屋を巡るスタンプラリーのように、とんとん拍子で進むものなんか人生には存在しない。
人生のほとんどがそうであるように、パートナーと出会うまでには複雑な要素が絡まり合っているが、その中心には、進化論的な深い論理といくつかの核心的な5つの原則がある。これからの人生のさまざまな場面で、正しい選択と行動のためにそれを活用しなくてはならない。
【第1原則】科学にもとづいて決める(先入観には頼らない)
巷にあふれるモテのアドバイスの大半は時代遅れで、的外れで、しかも性的なことに否定的だ。なぜこんなことになってしまったのかには、明快な理由がある。どれひとつとして、ヒトがどのようにパートナーを探しているのかの実証的な理解にもとづいていないのだ。
デートについての知恵は、政治的・宗教的なイデオロギーや、家族の伝統、文化的な規範によって決められてきた。「世界はどうあるべきか」についての独りよがりな固定観念によって、ひとびとの(そして君の)考え方がねじ曲げられてきた。
進化心理学、行動遺伝学、サイコメトリクス(計量心理学)、人類学者による狩猟採集社会の調査、チンパンジーなどの動物コミュニケーション学といった学問分野が、近年、驚くべき知見や理論を生み出してきた。それを背景に、モテ(パートナー選択)の科学はこの30年間でいっきに花開いた。
その結果、深い洞察や豊富なエビデンスと体系的な視角を、過去のどの時代よりも優れたレベルで提供できるようになったのだ。